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振動の人体への影響を調べるために、人体を質点とバネとダンパ(振動を吸収する装置)で組み立てた「人体の振動モデル」が提案されています。【図5】 人を加振試験台の上に乗せて振動を加えると、立った姿勢では3〜7ヘルツのときに最も振動が増幅されて知覚感覚が高くなります。ところがヒザを曲げた姿勢では、ヒザで振動を吸収してほとんど振動が伝わっておらず、姿勢によって振動の伝わり方が違うことが分ります。また眼球にも共振があって、4〜8ヘルツのときに感度が高くなります。横方向の振動では、周波数が低いほど頭が振られ感度が高くなることがわかっています。

居住環境としての振動は、このようは人の振動知覚特性を調べて、振動環境の指針を与える試みがされてきています。よく用いられるものに、居住性能評価指針 *2 があります。【図6】
鉛直定常振動の知覚限界はV0.7とされていますが、この数値が住宅の居室・寝室の良好な環境(ランク1)とされており、知覚されないことが条件となっていることが分かります。それに対して事務所相当の環境では、周囲に動きもあり、振動の許容も増えてV3と許容値が緩くなっています。同様の国際規格にISO2631があり、指針にも取り入れられています。

【図5】 人体の振動モデル

【図6】 居住性の評価基準
●振動種別および建築物の用途別性能評価区分
次に振動源を、考えてみます。ビルなど複合利用の施設では、他人の動きも振動源です。「歩行振動」【図7】と呼んでいますが、人はおよそ2ヘルツぐらいのピッチで歩きます。このとき周囲に2ヘルツで揺れるものがあれば、もちろん大きな影響を受けることになりますが、2ヘルツにかぎらず4ヘルツ、6ヘルツなどの倍数関係の固有振動数が存在するときは、歩行によってこれらの固有振動数が励起される可能性があります。

【図7】 歩行振動

●歩行者が床に与える荷重


●変位波形

●加速度波形


●フーリエスペクトル

橋や階段、ロングスパン床などでこの現象がみられます。この他内部の振動源には、設備機器や配管などの「機械振動」源があり、外部の振動源には「道路交通振動」、周辺の「工場振動」の他、「風」などもあげられます。風揺れについては、別の評価基準 *3が設けられています。【図8】 指針では0.1〜1.0ヘルツの間で1〜3ガルといった小さな振動の居住環境を求めています。

*超高層ビルやスレンダーな建物では、常時の微風でも僅かであれ揺れを伴う。中には上層階のお風呂の水面が波立って見えたり、揺れを感じる場合もある。
【図8】 風揺れに関する基準


●建築物の用途別性能評価区分

ランク
建築物の用途
ランク1 ランク2 ランク3
住居
事務所
H-1
H-2
H-2
H-3
H-3
H-4

【図9】 振動制御の領域
制御対象としての振動の領域を大きく括ると、環境振動に関わる「有感振動領域」、音響環境に関わる「固体音領域(建物が振動するときに発生する音)」、精密機器の作動環境に関わる「微振動領域」、地震に対する安全性に関わる「免震領域」の四つをあげることができます。【図9】

有感振動領域は人の知覚特性によって決る領域で、知覚の閾値が0.75ガル、周波数は0.5〜100ヘルツです。固体音領域は発音体の条件によりますが、0.1ガルという小さな振動でも十分な音が出ます。また、周波数は数ヘルツから数百ヘルツに及びます。微振動領域は知覚限界よりずっと小さい10-3ガルの振動も問題にする領域です。周波数は0.5ヘルツぐらいから数百ヘルツに及びます。免震領域は地震の成分の存在する領域ということになり、最大1000ガル。周波数は現在の免震構造は0.25ヘルツであり、耐震構造は数10ヘルツということになります。制御対象としては、このような領域における振動源と構造物に対して制御を考えるということです。
*2 Bruce A.Bolt「地震」(東京化学同人)1997
*3 日本建築学会 「建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説」1991
 
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