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「振動」という言葉が人々にどのようなイメージを持たれるか、アンケートにとられた例があります *1。
その中では「地震・不快・電車・海・波・睡眠・酔い・目に見えないもの・騒音公害・メトロノーム・振り子時計・エンジン・脈拍・地下鉄・バイブレータ・エアロビクス」など、実にさまざまなイメージがあげられています。

科学をする立場としての私などは、振動といえば伝達する波を思い浮かべます。実は伝達する波には、縦波(P波)、曲げ波(S波)、媒体の表面に発生するレイリー波やラブ波など、条件によって異なる種類の波が存在します。【図1】

【図1】波と伝達と振動モード
また衝撃的な振動が伝達すると、いろいろな物体はそれぞれ固有の揺れ方(モード)があって、その物体の揺れやすい形(すなわちモード)で揺れる事が知られています。地球にもその固有モードがあって、チリ地震のときの観測で、地球に大きな衝撃が加わると約54分の周期で伸び縮みするようなモードが出現することが分っています。

振動の表現には「時間(周期)・振動数(周波数)・振動の長さ(波長)」の三つの物差しを用います。
振動の時間は、一番短いのが不安定粒子の寿命で、一番長いのが宇宙の年齢といわれています。振動数は1秒間に何回と数え(単位はヘルツ:Hz)、一番小さな振動数が宇宙の年齢の逆数で、最高の振動数は不安定粒子の寿命ということになります。【図2】
地球は3×10-4ヘルツの固有振動数をもち、これに対して普通のビルは数ヘルツ、超高層・免震ビルでは0.2〜0.3ヘルツあたりに固有振動数を持っています。地盤の固有振動数は軟弱なところで2〜3ヘルツ、堅いところで7〜8ヘルツとなっています。また、人が音として聞く空気の振動は20〜20000ヘルツの間です。

耳で聞こえなくても数ヘルツの振動は全身に圧迫感として感じ、それは超低周波音と呼ばれ、公害問題の一つです。振動の長さはまず、メートルを単位とした波長で表されます。身近なところでは、音の波長が17メートル(20Hz)から1.7センチ(20KHz)。赤色の光は0.7ミクロン、紫色は0.4ミクロンといったところです。

【図2】振動数と周期
振動の伝達では、媒体あるいは条件によって、いくつかの波の種類があることを、紹介しましたが、固体中は弾性波として伝達します。このときの縦波の伝搬速度は、媒体によって固有の値をもちます。例えばコンクリートは3500m/sという縦波の伝搬速度を有します。ですから、ビルの中の振動は、どんな大きな建物でも隅まで伝わるのに1秒もかかることはありません。土の中を伝わる振動は、軟弱地盤だと150m/sと遅くなります。堅い岩盤では5000m/sと速く伝わることになります。

振動の大きさの表現にもいろいろな量がありますが、基本的には振動の変位(m)、振動の速度(m/s)、あるいは加速度(m/s2)の振幅の大きさとして表されます。それぞれの値を目的に応じて使い分けています。


*振動の人体感覚を調べるのには速度を使ったり、環境振動の分野では加速度であったりする。
従来、地震については速度で表現されることもあり、単位としてカイン(Kine=cm/c2)が有名だ。大地震の場合には100カインぐらいになる。しかし昨今は主に加速度で表現され、阪神大震災(兵庫県南部地震)で一躍有名になったガル(Gal=cm/s2)という単位が用いられている。ちなみにその時の加速度は818ガルという大きな値が観測されている。重力加速度(g)が980ガルだからその大きさがわかる。


振動の種類は、代表的に三種類をあげることができ、(1)全く偏り無く多くの周期成分を含んだ振動を「ランダム波」、(2)決まった周期のものを「正弦波」、(3)非常に短いパルス状のものを「衝撃波」と表現しています。【図3】【図4】


【図3】 時間領域と周波数領域(時間領域)


【図3】 時間領域と周波数領域(周波数領域)

【図4】ISO指針における振動波形の定義
*三種類の代表的な振動を周波数の領域で見ると、ランダム波は特徴のない、たくさんの周波数成分が同じくらいの強さで含まれており、平坦なスペクトルを形成する。正弦波は決った周波数に一本のラインスペクトルが形成される。また衝撃波は広い領域に平坦なスペクトルを形成し、インパルス幅が狭いほど高い周波数まで平坦なスペクトルをもつことになる。

環境振動に引き寄せて考えると、ランダム波や正弦波が持続するものは定常振動と呼ばれ、人の知覚感覚も高くなる。また、間欠的に大きな波と小さな波が入り交じって周期的に現れるのを断続振動、衝撃が加わって過渡応答を伴いながら減衰するものを衝撃振動と呼んでいる。このような振動の種類によって、人の感じ方も違ったものになることが知られている。
*1 櫛田 裕 「環境振動工学」(理工図書)1997。
 
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