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SQUIDのアクティブ除振対策

マルチチャンネルSQUID(超伝導量子干渉素子)は超高感度磁気センサーであり近年脳の機能解析に活用されている。超高感度であるがゆえに振動についても敏感であり、高性能シールドルームとともにエアサーボアクティブ除振装置を採用した事例を紹介する。

対策のポイント

センサー周辺で磁性体が振動するとノイズとなるため、建物は非磁性鉄筋で建設され、内装はすべて木材、SUSである。除振装置も極力磁性体を使用せず、コンクリート定盤は非磁性体製とし、除振ユニットはSUS製、積層ゴムも特別に製作した。サーボバルブ等は全てパーマロイによるシールドボックス内に収蔵した。

原因

図1 SQUID除振装置概念図
図1 SQUID除振装置概念図
本SQUID装置は東京都内の研究所に設置されていたが周辺の交通振動や工場振動などノイズレベルが高く、SQUID本来の機能を発揮してなかった。敷地内の振動調査を行いSQUIDの性能が充分発揮できる環境を探したが既存建屋に満足のいく場所はなかった。
対策として振動環境を満たす建物を新規に建設し、さらに除振装置を採用するのであれば、研究所内に捉われずSQUID施設そのものの移転が有利と判断された。
その後、兵庫県内で昼夜に関係なく振動レベル10mGal以下の優秀な振動環境が見つかり移転が決まったが、将来の周辺開発を見越し、アクティブ除振装置も採用することになった。
図1にSQUID除振装置概念図を示す。

対策

図2 制御信号ブロック図
図2 制御信号ブロック図
アクティブ除振装置の採用に際し、除振対象となる定盤のサイズが5,500×4,500×500(mm)と大きく、SQUID及びシールドルームを含むばね上質量が8,000Kgと重いこと、周辺磁場に影響を与えにくいことからエアサーボアクティブが採用された。
アクチュエータユニットは鉛直6軸、水平4軸の構成で各ユニットは鉛直がφ330空気ばね6個、水平がφ200空気ばね2個で形成した。
図2に制御信号ブロック図を示す。
金属部分はアルミまたはSUS製とし、サーボバルブ、アナログアンプ等の電装品は全てパーマロイで囲い、信号ケーブルも漏洩磁束を計測したのち必要なものはシールド処理を行なった。
図3にエアサーボユニットとパーマロイケースと図4にユニット設置状況を示す。
制御系は加速度+相対変位のフィードバック制御と加速度フィードフォワード制御を使ったダブルアクティブ方式とし、主制御ユニットは入出力16ch、分解能16bitのデジタル制御方式とした。

図3 ユニットとパーマロイケース
図3 ユニットとパーマロイケース
図4 ユニット設置状況
図4 ユニット設置状況

竣工後の計測では、振動加速度0.3〜1mGalの値が測定され、優れた振動環境であることが確認された。脳の活動は各種の刺激によりおよそ1Hzから数百Hzと言われており、特に10Hz以下の信号に対してアクティブ除振の効果は顕著であり、SQUIDセンサーを使った脳の機能研究に寄与している。
図5に竣工時のX.Y.Z各方向の計測データを示す。

図5 制御時の加速度データ<床上と定盤上>
図5 制御時の加速度データ<床上と定盤上>

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