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300m干渉計TAMA300のアクティブ除振対策

国立天文台に設置されたTAMA300は、稼動中では世界最高感度のレーザー干渉計重力波検出装置である。この装置に影響を与える「振動ノイズ」「熱ノイズ」「光源ノイズ」の内、振動ノイズ対策としてエアサーボアクティブ除振装置が採用された。

対策のポイント

レーザー光反射の心臓部であるミラー部は2段振り子で除振されているが、主に10Hz以下の地盤振動の影響をアクティブ除振装置で対策することを目的とした。また、地面に対する位置制御により熱や地下水位変動による地盤変位への対応も期待された。

原因

三鷹東京天文台に設置されているTAMA300は、昼間は交通振動などの影響で深夜の静かな環境でしか観察できなかった。地盤振動レベルとしては昼間6〜11mGal、夜間2〜6mGalであった。
TAMA300はレーザー光を300mの真空光路中を約150往復させるため、ミラー部分の振動対策が重要である。
図1にTAMA300の概念図を示す。
ミラーは真空チャンバー内において2段振り子懸架方式で低固有振動数のパッシブ除振が行われているが、数Hzから十数Hzに複数のモードが存在し、この周波数帯域で地盤振動の低減を行う必要があった。
図2にミラーチャンバーの概念図を示す。
ベローズは真空装置とつながっており振動影響を受けないよう細心の注意が払われている。

図1 TAMA300概念図
図1 TAMA300概念図
図2 ミラーチャンバー概念図
図2 ミラーチャンバー概念図

対策

アクティブ除振装置の採用に際し、エアサーボと固体素子が検討されたがチャンバー質量が重いこと、位置制御が可能であることからエアサーボが採用された。また、チャンバーは3本脚であったがトルクバランス制御を行うためにアタッチメントを取り付け4点支持とした。
図3、図4に昼間、夜間の除振装置導入前後のチャンバー振動変位を示す。

図3 昼間の振動変位
図3 昼間の振動変位
図4 夜間の振動変位
図4 夜間の振動変位

このアクティブ除振による振動対策の結果、昼夜を通して振動レベルは2mGal以下となり24時間連続観測が可能となった。またシステムの安定性も問題なく、2001年には通算1,000時間の連続観測が達成され、世界初の重力波観測が注目されている。

参考文献
1)古在由秀、坪野公夫:TAMAプロジェクト研究報告書、(2002.8)
2)高橋竜太郎:TAMA300用アクティブ除振装置の評価、(2000.6)

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