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超低温走査型トンネル顕微鏡に対するガス圧縮機の防振対策

研究室に設置された超低温走査型トンネル顕微鏡の画像が過剰ガス圧縮機運転時に乱れるという障害が発生した。この対策として圧縮機本体の防振を始め、配管への防振フレキの装着、配管の防振吊り等振動絶縁対策を行った結果、顕微鏡画像の乱れを解消した。

対策のポイント

振動絶縁対策は全て圧縮機室内にて実施可能な内容に限定して行われた。特に振動源である圧縮機本体への防振装置装着と顕微鏡につながるガス配管への防振フレキ装着という2点の対策が顕微鏡の機能回復に大きく貢献したものと考えられる。

原因

回収されてきた冷却用ヘリウムガスをタンクに圧縮、貯蔵するガス圧縮機の運転に伴い、直下研究室に設置されている超低温走査型トンネル顕微鏡の画像が見えなくなるという障害が発生した。障害時の顕微鏡トンネル電流を周波数解析すると特に80.0Hzと96.25Hzに尖鋭なピークが立ち上がり、これらがノイズとなって画像を乱していたことがわかった。
図1に顕微鏡画像とトンネル電流の周波数分析を示す。

図1 顕微鏡画像とトンネル電流の周波数解析
図1 顕微鏡画像とトンネル電流の周波数解析

これらのピーク周波数はガス圧縮機の回転周波数8Hz(480rpm/60sec)の10次成分と12次成分であり、ガス圧縮機の回転に伴う振動がトンネル顕微鏡にまで伝搬していることが確認された。

対策

振動源であるガス圧縮機本体はスラブに固定されていたため、ガス圧縮機本体からスラブに伝搬した振動が顕微鏡の画像障害の主原因である。また、圧縮機本体につながっているガス配管も有効な振動伝搬経路であり、以下のような対策を実施した。

  1. ガス圧縮機本体のスプリング防振装置の装着(固有振動数2.3Hz)
  2. 圧縮機本体近傍の防振フレキ直列3段使用による配管振動の絶縁
  3. 横引きガス配管のスプリング防振ハンガー支持
  4. 配管壁貫通部の縁切り

図2にガス圧縮機と防振装置を示す。
図3にガス配管に装着した防振フレキを示す。

図2 ガス圧縮機と防振装置
図2 ガス圧縮機と防振装置
図3 ガス配管に装着した防振フレキ
図3 ガス配管に装着した防振フレキ

また、ガス圧縮機の弾性支持による変位増幅抑制のために、防振装置の上部ベースは鉄製の一枚板とした。さらに、必要に応じダンパー機構も取り付けられる設計としていたが、変位増幅は予想以上に少なくダンパー機構は不要となった。

防振対策により2つのピーク周波数(80.0Hz、96.25Hz)の振動加速度レベルには表1のように20〜30dBの低減が得られた。この結果、トンネル顕微鏡の画像の乱れも解消された。

表1 対策前後の圧縮機、配管回り振動加速度レベル比較 (dB)
測定点 80.0Hz 96.25Hz
対策前 対策後 対策前 対策後
本体設置スラブ上(1) 72.8 40.9 65.5 32.7
本体設置スラブ上(2) 78.6 48.6 68.2 32.0
B2F配管表面 59.1 28.0 31.8 12.2
B2F顕微鏡設置床 29.6 0.9 14.4 -3.7

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