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産業機械
近隣住宅に対する万能試験機の衝撃振動対策

ある試験所において万能試験機を稼動すると近隣の住民から苦情が寄せられていた。この万能試験機は防振が装着されておらず、試験所で発生した振動が地盤に伝搬して近隣住宅に影響を及ぼしていた。今回、新規設置する試験機には予防措置として防振装置を取り付けることになった。

対策のポイント

試験機の加振特性は、引張試験時の試験体破断時に生じる衝撃性のもので、単一周波数成分でなく広い周波数帯域に加振力を有している。その為、低固有値で高性能な防振材が必要となるが、弾性支持することによって破断時の振幅が長引くと試験機に悪影響が出るため、速やかに振動を収束する減衰機構も考慮しなければならない。

原因

万能試験機は、試験体が壊れる瞬間に衝撃性の振動を発生する。通常は引張試験の試験体破断時に生じ、不定期に突如発生する衝撃振動は、物理的被害もさることながら心的にも不快を伴う。
この試験所では、試験機振動が近隣住宅に及ぼす影響について問題を抱えていた。また今回新設の万能試験機の設置場所は、敷地境界まで約5mと近く距離減衰による振動低減は期待できない状況である。 
本事例は、予防措置として防振架台を検討して設置した事例である。
以下の万能試験機の仕様を示す。 

(1)万能試験機仕様
駆動方式:油圧  容量:1,000kN  質量:約3,200kg
外形寸法:1,000×700×2,200(幅×奥行×高さ mm×mm×mm)

図1に試験所内の万能試験機設置状況を示す。

(2)万能試験機設置状況

図1 万能試験機設置状況
図1 万能試験機設置状況

対策

(1)設計ポイント
  1. 衝撃振動の為、低い固有振動数の防振材が必要。
  2. 破断時の本体振動が速やかに収束できる減衰機構が必要。
  3. 試験機の力の作用点とばねの合成反力点は同一軸上にする。
  4. 試験機の重心は低い位置にあるため、防振装置の上部架台は軽量化できる。
(2)対策
  1. 防振材は金属スプリング、固有振動数を約2.7Hzとした。
  2. オイルダンパー4本装着し、減衰比を約10%とした。
  3. 破断時の力は、試験体を掴むチャックの軸上で作用する。試験機は比較的対称形なので、投影面積のほぼ中心に力の作用軸がある。よって、ばねの位置も均等配置で合成反力の軸と力の作用軸をほぼ一致させることが出来た。
  4. 試験機3,200kgに対して上部架台は500kgとした。対象機の重心位置が高い場合、本体質量より大荷重の上部架台を設計し低重心化しなければならない場合もある。
(3)結果
図2に防振対策後の設置床振動レベルを示す。
図3に今回納めた防振装置付き試験機と、既設試験機の引張試験時振動レベルを比較する。試験体はSS400 d40を用いた。

図2 防振付試験機側1mの時定数
図2 防振付試験機側1mの時定数
図3 結果比較
図3 結果比較

試験機近辺の振動レベルは既設試験機で110dB、防振対策試験機では62dBが計測され防振の有無で大きな差が確認できた。また問題の敷地境界においても、既設試験機稼動時の振動レベルは82dBであるが防振対策試験機では47dBと低減しており35dBの防振効果を確認することができた。さらに試験体を替え防振対策試験機で引張試験を行ったが、機側1mで49〜62dB,敷地境界で43〜49 dBの振動レベルであり験体を替えても防振効果は発揮され新設試験機の振動対策は成功した。

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