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産業機械
工場検査ラインに対するロータリーポンプの有感振動対策

建物中間階にある検査工程エリア近傍に、真空引きシステム(ロータリーポンプ)が移設された。ロータリーポンプを運転したところ近辺の書棚で本が転倒する、机上のパソコンが移動するなど非常に大きな有感振動が発生したため、検査作業が行なえない状態となった。

対策のポイント

有感振動対策を主眼とし、障害周波数で20dBを低減目標に防振対策を行った。搭載質量が不明な為、質量変動に比較的対応容易な空気ばねを採用した。ロータリーポンプと附帯機器は金属フレキで接続されている為、ロータリーポンプと附帯機器の全体を防振した。

原因

中間階の検査ライン横に真空引きシステムが移設されたが、システム主要部分のロータリーポンプが稼動すると床の振動レベルで72dBもの大きな振動を発生させた。周波数として13Hzに卓越したピークを持った振動性状を有する。設置スラブ(床)の固有振動数は、約13.5Hzでポンプの加振周波数とほぼ近似している。
図1にポンプ運転時の床振動加速度レベルデータ、図2に床の振動応答スペクトルを示す。
13Hzで80dB弱もある振動加速度が発生すると、人間の振動感度も敏感な領域であり大きな不快振動として知覚されてポンプの運転時には近くにいることも出来ない。また近くの書棚からファイルが落下する、机上のパソコンが移動するなどの物的被害も起こった。
元来、この建物は中間階を事務室とする目的で建設されており、真空引きシステムなど設備機器が配置される予定ではなかった。今回の障害は、ロータリーポンプの基本的な振動数と床の固有振動数が近似するという条件下で、ポンプが運転されたことによる床共振の例である。

図1 ポンプ運転時の床振動加速度レベル
図1 ポンプ運転時の床振動加速度レベル
図2 床の応答スペクトル
図2 床の応答スペクトル

対策

解決手段として、共振現象を起こしている床の制振対策が挙げられるが、制振対象床が複数におよぶことから、加振源であるポンプの防振対策を中心に検討を進めた。
改善目標は、振動レベルを無感と評される55dB以下とし、床の卓越した周波数13Hzにおいて20dB低減を目標とした。
振動源であるロータリーポンプの加振周波数が13Hzなので金属スプリングも防振材候補であるが、真空引きシステムが外国製のため質量・重心位置など必要な仕様が入手できず防振設計に支障があった。結果、搭載質量への柔軟な対応が可能で、防振上の水平度調整が簡単に行なえる空気ばねを選択した。
また、真空引きシステムの機能上の問題で、ロータリーポンプと配管の接合にはSUS製フレキシブルジョイントを使用しなければならなかった。本SUS製フレキシブルジョイントの固有振動数は、問題となっている加振周波数より高く増幅領域と考えられるため、配管系からの振動伝搬も考慮した結果、真空引きシステム全体を防振することにした。

図3 空気ばね式防振装置
図3 空気ばね式防振装置
図3に空気ばね式防振装置を示す。
空気ばねは、密閉型でなくレベリングバルブを用いた空気自動供給タイプの空気ばねシステムを採用し、真空引きシステム全体が搭載可能なスチ ール製ベースタイプの防振装置で対策を行った。

図4に対策前後の振動加速度レベルを示す。
対策前の振動レベル72dBは53dBまで改善されポンプの回転周波数成分である13Hzのピークは77.4dBから54.5dBまで低減した。対策後は検査ラインも使用できるようになり、周辺事務所の振動障害も無くなった。

図4 床の振動加速度レベル
図4 床の振動加速度レベル

今回のようなレイアウト変更で、加振力の大きな機器の移設には注意が必要である。特にグランドレベルから中間階へ移設する場合は、設置場所のアクセレランスが極端に変わるため、振動の影響がないか事前調査を行なうことが望ましい。

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