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ハイブリッド防振装置による振動対策事例

モーター直結型ブロアーの運転によって有感振動と騒音が発生した。ブロアー本体の振動も大きくメーカー許容値を10倍以上も上回る値であった。ブロアー本体振動と躯体への振動低減の手段として反共振TMD(付加質量を共振させて振動を吸収する装置)と防振装置を組み合わせた振動対策を行った。

対策のポイント

電動機出力75KW、本体質量1,000kgを越えるブロアーは加振力も大きく振動障害を引き起こし易い。且つ設置床がチェッカープレートとなると剛性も少なく、振動を増幅させるリスクも高い。このような大型機器では付属の防振ゴムでは絶縁性能が不足する。また絶縁対策だけではなく機器の安定対策も考慮する。

原因

図1
図1
図2 防振ゴム付ブロアー脚部
図2 防振ゴム付ブロアー脚部
工場内ユーティリティエリアのチェッカープレート床に設置されたモーター直結型ブロアー(防振ゴム付)を運転すると大きな有感振動と騒音が発生した。
ブロアー本体の振動は、モーター2Pの回転成分である59.5Hzに卓越した振動ピークをもち、機械本体の振動速度がメーカー許容値6.4mm/s(0-P値)の10倍以上の値であった。また、設置床では長時間その場に居ることができないほどの振動を感じ、その周囲では通常の会話も困難な騒音も発生していた。
今回の振動障害は、加振力の大きなブロアーを剛性の小さいチェッカープレート床に設置したことが大きな原因といえる。以下にブロアーの仕様を示す。

送風機径φ951
最大風量(MAX)7,600m/h
静圧(吸込)8,000pa
(吐出)14,000pa
電動機出力75kW
回転数3,600rpm
質量(本体)1,280kg

対策

図3 対策概要
図3 対策概要
図4 反共振TMD
図4 反共振TMD
今回の課題は、(1)ブロアー本体振動をメーカー許容値内におさめる、(2)チェッカープレート上の振動と騒 音(固体伝播音)を低減させる、である。
(1)(2)の課題を両方解決するということは、「本体振動の抑制」と「設置床の振動及び周囲騒音の低減」を同時に満足させることである。本体振動の抑制だけであれば現状の防振ゴムを排除し床剛性を上げる手段が考えられるが、有感振動や騒音低減の解消にはならない。また高性能型防振装置に変更することで有感振動や騒音は低減できても、本体振動抑制のためには非現実的なばね上質量が必要であるという問題があった。
こうした課題を解決させる対策として本体振動を抑制(制振)するための反共振TMDと設置床の振動低減のためのスプリング防振装置を組み合わせた振動対策を行った。
図3に対策の概要、図4に反共振TMDを示す。
TMDの制振方向及び質量の決定は事前のモード解析及び置換法加振力の実測値(3,000N以下at59.5Hz)に基づき決定した。
今回のハイブリッド防振装置(防振+制振)の仕様を以下に示す。

形式 OMY-F16163型(防振・制振)
質量 (制御装置込み)134kg
吸振体 151.9N/mm*8点
総ばね定数 1215.2N/mm
防振装置外寸1000L*900W*185h(mm)
制御装置外寸436L*360W*180h(mm)

図5 対策後ブロアー外観
図5 対策後ブロアー外観
対策の結果、(1)ブロアー本体の振動は対策前には回転成分である59.5Hzにおいて、100mm/sに近い値であったが、対策後は全ての測定点においてメ ーカー許容値の6.4mm/s以下に収まった。(2)一方チェッカープレート上では対策前に5mm/sあった振動が1mm/sまで低減し有感振動による不快感は解 消した。また騒音もある程度の距離で会話が可能となり効果を確認することができた。
図6に対策前後における本体振動の変化を示す。

図6 ブロアー振動(対策前後)
図6 ブロアー振動(対策前後)

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