特許機器株式会社
HOME お問い合わせ サイトマップ English
新製品案内 製品案内 技術案内 振動対策事例 カタログ
振動対策事例
建築設備
近隣民家に対するポンプ施設の固体音対策

ポンプ場の近隣住民から、ポンプの運転音に対して苦情が寄せられていた。当初、内壁を追加するなどの遮音対策が行われたがその効果はなく、その後実施されたポンプの防振対策によって騒音は低減し近隣住民の苦情を解消した。

対策のポイント

建屋から屋外への騒音障害は、外壁や窓、扉の遮音不足による透過音が原因である場合が多いが、本件ではポンプ振動が建屋外壁に伝播し、固体音を発生していた。本件の様に振動が原因である場合もあるので、事前調査では透過音、固体音双方の可能性を考えておく必要がある。

原因

図1 遮音対策(内壁を追加)
図1 遮音対策(内壁を追加)
静寂な住宅街で、隣接した配水ポンプ場の昼夜を問わず運転されるポンプの運転騒音が問題となっていた。近隣住民から、ポンプ騒音に対する苦情が寄せられ、改善策が検討され実施された。
しかしこの時の検討ではポンプ場からの透過音がその原因とされてポンプ室内に内壁を追加する遮音工事が実施されたが、騒音に変化は認められなかった。
図1に内壁を追加した遮音対策を示す。
その後当社に調査依頼があり、測定を行ったところ、ポンプ場の外壁で騒音障害主因となっている周波数と同一の周波数の卓越した振動成分を確認した。これは明らかにポンプ振動が壁へ伝搬している現象であり固体音として外部に放射していると想定された。
対策にはポンプ系(ポンプ本体・配管)の振動絶縁が必要であると判断した。

対策

図2 ポンプの防振対策
図2 ポンプの防振対策
図3 敷地境界騒音比較
図3 敷地境界騒音比較
図4 ポンプ場外壁振動比較
図4 ポンプ場外壁振動比較
ポンプ本体にスプリング防振装置による振動絶縁対策を行うが、配管系からの振動が影響している場合も十分あるので、ポンプ3台の内、まず1台の防振対策を行いその効果と配管系の振動影響を確認することにした。
図2にポンプ本体の防振対策を示す。

ポンプ防振対策後の効果確認は昼間実施した。A特性のオールパスレベルは暗騒音の影響で効果が判別しにくい為、FFTを使い周波数分析を行った。
図3に防振対策を行ったポンプと対策してないポンプの騒音比較データを示す。

振動対策を行っていないNo.2ポンプの運転騒音は、音圧スペクトルで120Hz,240Hz,360Hzに卓越した成分が見られ、運転音が明確に認識できる。

ポンプ本体の防振対策を実施したNo.1ポンプ騒音は、No.2ポンプに見られた120Hz,360Hzの成分は大幅に低減し、No.2ポンプ運転と比べ騒音が低減していることを充分実感できた。
尚、No.1ポンプ運転時のデータに240Hzの成分が見られるが、この成分はポンプ停止時の暗騒音データにも存在し、外壁の振動加速度データにも120Hz,240Hzの成分が現れている。これは、ポンプ場の2階に設置されている変圧器振動が原因である。

No.1ポンプ本体の防振対策で、騒音障害が改善される事が実証され、他の2台のポンプも防振装置を取り付けた。
ポンプ3台にスプリング防振装置による振動絶縁対策の結果、No.1ポンプで確認された振動・騒音低減が同様に実現でき近隣住民の苦情は解消された。

本件では、初期段階で判断を誤り、遮音対策にかなりの時間と費用を費やした。事前調査では、透過音、固体音の双方の可能性について検討する必要がある。
尚、ポンプ回転の振動周波数(本件では30Hz)、及び回転数にインペラーの羽根枚数を掛けた周波数(本件では179Hz)で障害となるケースが多いが、本件の場合は、モータ内の磁界による振動周波数(120Hz,240Hz,360Hz)が障害となった事例である。

▲上へ

←『建築設備』前の事例へ『建築設備』次の事例へ→

Copyright(c)2004. TOKKYOKIKI CORPORATION All Right Reserved.