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最上階シネコンに対する屋上コジェネの防振対策

屋上階に設置が計画された300kWガスエンジン発電機が直下シネマに及ぼす影響が懸念され、本体の防振検討会議において発電機設置床の増し厚の検討及び発電機加振力の実測等が行われた。発電機本体にはスプリング防振を2段に用いる防振対策を実施し、最終的にシネマでの騒音は設計条件のNC-30に対しNC-25を実現した。

対策のポイント

シネコン(シネマコンプレックス)やホール直上に発電機が設置される例は最近多いが、機器のパワーや位置関係からその影響を未然に防止することは容易でない。本件でも行ったような関係者による検討会議を基にして、構造条件の見直し、実測データによる予測精度の向上、遮音天井の検討等、あらゆる方策を検討、試行する必要がある。

原因

本件では、設計段階において屋上の空調設備に対する防振が検討されており、その中で発電機については空気ばね相当の仕様が示され注意がうながされていた。発電機の振動特性は図1のように広範囲にピークが林立する形でパワーも大きいため振動障害の原因となりやすい。そこで、振動低減に有利となることを総合的に実施していくため、関係するゼネコン、サブコン、メーカーの技術者会議が開催されて屋上設備全般の検討を行い、発電機だけではなくトランス等の電気設備についても防振仕様が決定された。
図2に発電機とシネマの位置関係を示す。

<ガスエンジン発電機仕様>
300kW 12,108kg 1,500rpm
図1 発電機本体の振動加速度レベルスペクトル
図1 発電機本体の振動加速度レベルスペクトル
図2 発電機とシネマの位置関係
図2 発電機とシネマの位置関係

対策

発電機に関しては、スラブを厚くした場合のアクセレランス低減効果なども検討され振動対策に有利として実施が求められたが、耐荷重に限界があり、屋上全般のスラブ厚を増すことは不可能であった。その後、耐荷重範囲内で局部的な構造変更(発電機設置スパンのみの増し厚による広大基礎でも振動低減効果は期待できることが確かめられ実施)がなされた。
図3にスラブ増し打ちによるアクセレランス低減効果(計算値)を示す。
その他、同仕様の既存発電機の加振力を実測し、予測振動算出にフィードバックすることにより予測精度を上げることも行った。このような詳細検討の結果、発電機内部の防振ゴムもグレードアップする必要性が認められ、全体としてスプリング二重防振に変更された。
図4に屋上に設置された発電機を示す。

図3スラブ増し打ちによるアクセレランス低減効果(計算値)
図3 スラブ増し打ちによるアクセレランス低減効果
(計算値)
図4 屋上に設置された発電機
図4 屋上に設置された発電機

発電機運転時振動低減のために実施事項は以下の通りである。

  1. ガスエンジン発電機へのスプリング2重防振対策
      ガスエンジン本体、パッケージ全体共に固有振動数4Hzのスプリング防振支持
  2. 補機類へのスプリング防振(固有振動数4Hz)対策
  3. 発電機設置スパンのスラブ増し打ち
      原設計スラブ厚……150t+シンダー100t
      発電機設置スパン…450t+シンダー100t

図5 発電機2台運転時のシネマ内音圧レベル(31.5Hzバンドは参考)
図5 発電機2台運転時の
シネマ内音圧レベル
(31.5Hzバンドは参考)
(クリックで拡大)
これらの振動軽減対策が実施された結果、シネコンの騒音環境は図5のように殆どNC-20レベルに近いNC-25であった。
2,000Hzにもピークが見られるがこれはシネコン内のスピーカーから発生していた高周波ノイズの影響である。
表1のように屋上スラブ振動も非常に低いレベルに抑えられている。

表1 2台運転時騒音、振動値
測定点 騒音環境 振動レベル
シネマ8 NC-25 (29.1dBA) 36dB
映写室 - 31dB
発電機スラブ - 30dB
補機スラブ - 42dB

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