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建築設備
ホテル客室に対する空調機の低周波音対策

ホテル中間階に設置の空調機が稼動した際、隣接する客室で低周波の圧迫感のある騒音が発生。この騒音が原因で利用者からの苦情が頻発し客室は利用できない状態に陥っていた。

対策のポイント

一般に空調機の防振対策では送風機(以下ファン)部分のみ防振支持されることが多いが、必ずしも十分とは言えない。本件では、コイルやフィルターボックスを含む空調機全体を防振することで、振動(固体音)を大幅に低減させ苦情を解消することができた。

原因

図1 対策前(ファン部防振)
図1 対策前(ファン部防振)
客室内の騒音は25Hzで卓越した成分があり、空調機のファン回転周波数と一致している。当初、空調機のファン部はスプリングで防振されていた為に、機械室からの透過音が原因とされファン部を鉛シートで覆う遮音対策が行われたが、効果が得られていなかった。
相談を受けて改めて調査した結果、機械室床の振動加速度レベルは25Hzで73dB程度の大きさがあり、隣接する客室で固体音を発生させるのに十分な振動レベルであった。
図1に対策前のファン部のみの防振状態を示す。
ファン部のスプリング防振自体には、耐震ストッパーの接触や、ばねが密着する等の不具合は特に無かった。しかし通常において空調機の内部で部分的に防振されているために、支持剛性が不足しがちであり、期待するほどの絶縁効果が得られない。また、本件ではとくに内部の音圧や気流による影響などで、ファン部以外の箇所(コイル,フィルター部等)でも振動が発生しており、これらも加振源と判断された。

対策

対策にあたって以下の点に留意した。

  1. 空調機内部の剛性の低い構造上で防振支持すると、支持構造自身がばね性を持つため、1質点モデルで考えるような絶縁効果は得られない。
  2. 空調機は、ファン部以外にも機器内部の音圧や気流の変化によって生じる振動もある。
  3. 空調機に接続される配管、ダクトからの振動影響もある。

図2 対策後(空調機全体防振)
図2 対策後(空調機全体防振)
以上のような加振源、伝達経路を有効に遮断するためには、空調機全体をスプリングで防振することが必要であり、その対策を行った。
図2に対策後の空調機全体防振を示す。

対策によって、機械室の床振動は障害の主因であった25Hzで13dB程度低減し、客室の低周波騒音も同程度低減した結果、低周波独特の圧迫感はなくなり、ホテル客室として十分使用可能な環境に改善された。
図3に対策前後の客室騒音を示す。
図4に対策前後の機械室床振動を示す。

図3 対策前後の客室騒音
図3 対策前後の客室騒音置
図4 対策前後の機械室床振動
図4 対策前後の機械室床振動

空調機の防振対策は空調機内部でファン部分のみ防振することが一般的であるが、内部の音圧や気流による影響もありコイル、フィルター部分も振動するため必ずしも十分な防振対策とはいえない。本件のように客室が近接する場合や、振動許容値が厳しく静寂な環境を要請される場合には、構造応答をふまえた設備機器の許容加振力を検討し、空調機全体の防振も採用する必要がある。

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