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振動対策事例
建築設備
事務所ビルにおける電算室パッケージエアコンの固体音対策

某会社の事務室で、直上の電算室(CPU室)に設置されたパッケージエアコンを運転すると、事務室内で圧迫感のある騒音が発生した。事務所使用者は不快感を訴えていたが、電算室の温度管理が重要なため、パッケージエアコンの運転を停止することができず解決には長時間を要した。

対策のポイント

発生騒音に対して、どの程度まで低減する必要があるのかを明確にし、それに対して適切な防振装置を設計する。障害となっていない環境を確認し、達成可能な領域を見定め、適切な目標を設定する必要がある。

原因

パッケージエアコン2台の交互運転を行い、事務室騒音とCPU室振動を測定した。2台のうち1台が大きな騒音(音の大きい方をPAC1、小さい方をPAC2と略記)を発生しており、その周波数は29.5Hzで、音圧レベルは81.5dBであった。エアコンの仕様を確認すると、この周波数は送風機用電動機の回転数に一致している。さらにCPU室の設置スラブ上の振動加速度もこの周波数において卓越した成分が確認された。なおPAC1の振動は事務室騒音同様に大きくPAC2と比べ20dBの差がある。
図1に事務室騒音データと図2にCPU室のスラブ振動を示す。

図1 事務室騒音
図1 事務室騒音
図2 スラブ振動
図2 スラブ振動

図3 CPU室機器配置図
図3 CPU室機器配置図
PAC1の影響が大きいのは、機器の個体差も想定されるが、本体振動に顕著な差はないことから設置場所の違いにあると思われる。PAC2は部分的ではあるが大梁上であり、PAC1はスラブ中央付近に設置されているためにスラブは揺れやすく、振動応答が大きくなったといえる。この騒音障害は、エアコンの防振対策がされていないために起こった固体音障害であり、振動がCPU室スラブに伝播し、その振動が音として知覚されている。特に揺れやすいスラブに設置されたPAC1の振動対策が必要である。
図3にCPU室内の機器配置を示す。

対策

図4 防振装置
図4 防振装置
機械振動が原因の固体音障害である為、特に振動 の大きいPAC1の防振対策が必要である。
環境目標値としてPAC2運転時の29.5Hzにおける音圧レベルが58.6dBであるため、少なくともPAC2単独運転時と同じ程度まで低減することを目標とした。 そのための防振効果は、約-23dB必要であり、防振ゴムでは難しく、スプリング式防振装置で対策を行った。
図4に防振装置を示す。
対策の結果、音圧レベル、振動加速度レベルともほぼ目標をクリアし事務所使用者から静かになったと評価を得た。目標の設定および防振装置の選定とも適切であったことを確認した。
図5に対策前後事務室音圧レベルの比較、図6に CPU室スラブ振動加速度レベルの比較を示す。
表1に31.5Hz帯の音圧レベルと振動加速度レベルの 対策効果を示す。

図5 事務室音圧レベル
図5 事務室音圧レベル
図6 CPU室振動加速度レベル
図6 CPU室振動加速度レベル

表1 対策効果(31.5Hz帯)
  対策前 対策後 低減量
事務室
音圧レベル
82.9 dB 60.5 dB 22.4 dB
CPU室スラブ
振動加速度レベル
82.9 dB 58.9 dB 24.0 dB

PACは冷凍能力8.4トンで一般的な機種であり特段大型といわれるタイプではない。主な加振源は送風機及び圧縮機用の電動機で、今回問題となった送 風機用の電動機は、出力が3.7kwで圧縮機用電動機の出力5.5kwに比べて小さい電動機であった。
必ずしも、出力の大きいほうが障害原因ではないことと、設置場所の違いによって固体音障害となった事例である。

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